認知症とは?種類や原因となる病気・それぞれの症状・治療法を解説!

認知症とは、さまざまな病気や障害によって脳の機能が低下し、日常生活にも影響が及んでいる状態のことです。代表的な症状は記憶障害ですが、認知症の種類によって症状は異なります。そこでここでは、認知症の代表的な症状や、三大認知症の特徴、治療法などについて詳しく解説します。

認知症の代表的な症状

  • 認知症の代表的な症状は、記憶障害(もの忘れ)、見当識障害(時間や場所がわからなくなる)、理解力や判断力の低下(テレビの内容が理解できない、運転中にミスが多くなるなど)、身の回りのことができなくなる(家事や仕事がうまくこなせない、身だしなみに無頓着になるなど)、心理症状(憂うつになる、怒りっぽくなる、幻視、もの盗られ妄想など)などです。

 

認知症によるもの忘れの特徴

もの忘れは誰にでもあることですが、認知症によるもの忘れと加齢によるもの忘れにはさまざまな違いがあります。認知症によるもの忘れの場合、日常生活にも影響が出たり、もの忘れを自覚できなかったり、もの忘れの範囲が全体に及んだりすることが特徴とされています。例えば、食事メニューをはっきり思い出せないのは加齢によるもの忘れの可能性がありますが、食事自体をしたかどうか思い出せない場合は認知症の可能性があると考えられます。

認知症の種類と特徴

認知症は原因によっていくつかの種類に分けられ、それぞれで症状の出方も異なります。ここでは三大認知症と呼ばれるアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症について解説します。

 

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多いタイプで、脳の神経が変性し、脳の一部が萎縮することで引き起こされます。最初はもの忘れの症状が現れ、高齢であればゆっくり進行することが一般的です。昔のことは覚えている一方で最近のことは忘れてしまうことが多く、ものを置き忘れたり、それに伴うもの盗られ妄想(ものを盗られたと思い込むこと)が現れたりします。さらに、見当識障害や心理症状(元気がなくなる、無気力になる、口数が減るなど)が現れることもあります。

 

また、初期は運動障害や失禁などが起きることはありませんが、症状が進めば日常生活が正しく行えなくなり、徘徊したり攻撃的になったりすることもあります。最終的には記憶がなくなり、運動障害や失禁も現れ、症状が現れてから8年以内に半数が寝たきりになると言われています。(※ 進行には個人差があります)

 

レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い認知症で、脳の神経細胞にレビー小体(タンパク質のかたまり)が現れることが特徴です。症状としては認知機能の変動、幻視、パーキンソニズムが特徴で、比較的初期からレム睡眠行動障害が現れると言われています。

 

そのほかにも、抑うつ状態(意欲や気力の低下)、便秘や起立性低血圧などの自律神経症状、嗅覚障害などの症状が現れることがあります。

 

血管性認知症

主に脳卒中*が原因で脳への血流が低下し、脳の組織が壊れることで認知機能が低下する病気です。記憶力や思考力の低下、自発性の低下などの症状はほかの認知症と同様にみられることが多いですが、段階的に進行し、突然悪化したり、脳卒中の再発によって悪化したりするという特徴があります。アルツハイマー型認知症に比べて病識を持っていることが多く、抑うつや感情障害がみられ、片麻痺や構音障害を伴うことが多いとされています。具体的な症状は、脳のどの領域が障害されたかによって変わってきますが、一部の血管性認知症では、脳卒中などのエピソードなく、ゆっくりと進行するため、画像検査をしなければ、アルツハイマー型認知症と鑑別が難しいことがあります。

 

*脳卒中:脳の血管が破れたりつまったりする病気。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血がある。

 

認知症の治療法

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などは、根本的な治療法がありません。そのため、薬物治療やリハビリ、生活環境を整えることなどによって症状を緩和し、進行を遅らせることを目指します。

 

一方で、認知症の原因が内分泌疾患、自己免疫性疾患、内科疾患などの場合は、薬や手術などで治療が可能な場合があります。

認知症のような症状があれば医療機関受診の検討を

認知症の症状には、記憶障害や見当識障害、理解力や判断力の低下、身の回りのことができなくなるなどの中核症状と行動・心理症状(BPSD; Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)があります。

 

三大認知症のように、異常たんぱく質の蓄積や血管障害の結果、脳の神経細胞脱落によって引き起こされる認知症は根本的な治療法がありませんが、症状の緩和や進行を遅らせるためにさまざまな治療が行われます。さらに、内分泌疾患や自己免疫性疾患、内科疾患、特発性正常圧水頭症などが原因の認知症は治療が可能な場合があります。認知症を発症したら、その原因を明らかにし、適切な治療を行うことが重要なので、気になる症状があれば精神科や脳神経内科・外科、老年科などの受診を検討するとよいでしょう。

この記事のまとめ

  • 認知症の種類(三大認知症):アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症
  • 認知症の代表的な症状:もの忘れ、時間や場所がわからなくなる、理解力や判断力の低下、身の回りのことができなくなる、心理症状(憂うつになる、怒りっぽくなる、幻視、もの盗られ妄想など)など
  • 認知症の種類によって症状が異なる
  • 認知症には根本的な治療法がなく、薬物療法やリハビリ、生活環境を整えることによって症状の緩和や進行を遅らせるためにさまざまな治療が行われる
  • 気になる症状があれば精神科や脳神経内科・外科、老年科の受診を検討