介護施設には、公的施設、民間施設、介護度の低い方向け、高い方向け、認知症の方向けなど、さまざまな施設があります。ここでは、代表的な11種類の介護施設の特徴について詳しくご紹介します。
介護施設には「公的施設」と「民間施設」の2種類がある
介護施設を大きく分けると、国や地方自治体・社会福祉法人や医療法人などが運営する公的施設と、民間企業が運営する民間施設があります。それぞれの違いは以下の通りです。
公的施設:介護度が高い方や低所得者も入所しやすい
国や地方自治体・社会福祉法人や医療法人などが運営する公的な介護施設は「介護保険施設」とも呼ばれます。介護度が高い方や低所得者の受け入れも可能で、民間施設よりも費用が比較的安いという特徴があります。
一方で待機者が多く、入居までに時間がかかったり、民間施設に比べてイベントや娯楽などが少なかったりする傾向があります。
民間施設:さまざまなサービスが充実している
民間施設は公的施設よりもサービスが充実しており、施設によって特徴が大きく異なる傾向があります。空室があれば比較的すぐに入居できる点もメリットです。しかし、生活の満足度は高い一方で、費用が高くなる点に注意が必要です。
11種類の介護施設を一挙に紹介!
ここからは、11種類の介護施設の特徴やサービス、入所対象者、費用などについて紹介していきます。
◎充実 〇可能 △施設・状況によっては可能 ×不可
特別養護老人ホーム
基本的に、65歳以上で要介護3以上の方や、40~64歳でも特定の疾病があり要介護3以上の方が介護を受けるための施設です。また、要介護2以下でも、認知症や知的障害、精神障害があり日常生活に支障がある場合や、家庭で十分な介護を受けられない場合などは特例として入所できることがあります。
主なサービスは介護や生活支援で、リハビリやレクリエーションも行われます。ただし、医療ケアには限界があるため、常に点滴が必要といった医療依存度の高い方は入所できないことがあります。一方で、近年は看取りを行う施設が増えています。
そのほか、公的施設なので費用が安い一方で、待機期間が数ヶ月~数年かかることがある点が特徴です。
介護老人保健施設
介護が必要な高齢者に介護やリハビリなどのサービスを提供し、自宅復帰をサポートする施設です。病院からの退院後、自宅に帰るまでの短期間に利用されることが多く、3ヶ月~半年程度で退所となることが一般的です。回転が早いため、待機期間が比較的短いことも特徴です。
サービスのメインはリハビリで、自宅復帰後の生活(家の環境や器具などについて)のアドバイスを受けることもできます。もちろん、介護、生活支援のほか、医療ケアも充実しています。入所できるのは基本的に65歳以上かつ要介護1以上の方で、さらに、病状が安定していて入院が不要である、リハビリが必要である、といった方が対象となります。
介護療養型医療施設
要介護1以上で医療ケアが必要な方を対象にした公的施設です。カテーテルや経鼻経管栄養、たん吸引などが必要な方も十分な医療ケアを受けることが可能です。さらに、食事、入浴や排泄などの介護、リハビリなども行われます。
また、初期費用がかからず、4人部屋なら月額費用も9~17万円程度と比較的安価な点はメリットと言えます。ただし、医療処置の内容によっては金額が加算されますので、注意しましょう。さらに、施設数が少ないため入所までに数ヶ月ほどかかることもあります。今後、介護療養型医療施設は、介護医療院などへ移行される予定です。
軽費老人ホーム
軽費老人ホームとは、生活に不安があり、身寄りのないなど家庭で支援が受けられない高齢者のための施設です。A型、B型、C型の3種類があります。
A型・B型
A型は食事提供あり、B型はなしで、基本的に介護サービスは受けられず、見守りや外出時の付き添いなどのサービスが中心です。施設によっては外部の業者が介護や生活の世話、緊急対応を行っているところもありますが、別に料金が発生します
入所の対象者は60歳以上(夫婦で入所する場合はどちらか1人)で身の回りのことができる、月収34万円まで、共同生活ができる、といった方になります。また、初期費用がかからない施設もあり、月額費用もB型なら3~4万円程度となっています。ただし、1990年以降は新規に設置されておらず、C型(ケアハウス)に転換しているため施設数が少なく、入所は難しいと言われています。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)
A型・B型と異なるのは、所得制限がないという点です。その代わり、入居費や家賃を支払う必要がありますが、料金は比較的安価です。
また、一般型と介護型の2種類があり、一般型のサービスはA型と同様です。介護が必要な場合は外部のサービスを利用する必要があります。一方で介護型(特定施設入居者生活介護)は対象者が要介護1以上となり、施設内で介護サービスを受けることができます。
介護付き有料老人ホーム
介護スタッフが24時間常駐し、介護や生活のサポートをする施設です。主に民間企業が運営していますが、運営、設備、人員の基準に沿って都道府県に認可を受けています。サービスや費用、入居対象者は施設によってさまざまで、介護度の低い人から寝たきりの方まで幅広い層の選択肢となる施設です。また、空室があればすぐに入居できるというメリットもあります。
住宅型有料老人ホーム
居室は基本的に個室で、トイレ、浴室、キッチンなど、一般の住宅のような設備が揃っているのが特徴です。入所対象者は60歳以上で自立~介護度の低い方のため、サービスの中心は家事などの生活支援と緊急対応で、介護サービスは提供されていません。介護が必要な場合は外部サービスを使うことになりますが、最近では介護付き有料老人ホームと同じように介護サービスを提供している施設も増えています。
健康型有料老人ホーム
自立した生活ができ、介護の必要がない高齢者を対象とした施設です。提供されるサービスは、食事、掃除洗濯、安否確認のほか、イベントやサークル活動などのアクティビティも充実していることがあります。外部サービスを利用して家事をお任せしたり、トレーニングルームなどの施設を利用したりできる施設もあるため、趣味や娯楽に打ち込みたい方におすすめです。ただし、介護が必要になった場合は退去することになるため注意が必要です。
健康型有料老人ホームの施設数は16施設程度と言われており、数がかなり少ないです。しかし、初期費用などが高額なため、入所の競争率はそこまで高くないと言われています。
グループホーム
グループホームとは、最大18人の少人数で共同生活を行う住宅のような施設です。主に認知症の高齢者を支援するという目的があり、入所には認知症の診断が必要となります。同じ顔ぶれで生活でき、環境の変化が少ないことから、認知症患者さんが生活しやすいと言われています。ただし、看護職員などの医療従事者を配置する義務がないため、医療ケアは基本的に行われません。
サービス付き高齢者向け住宅
バリアフリーの賃貸住宅に住みながら、安否確認や生活相談などのサービスを受けられる、高齢者向けの施設です。
入居対象者は60歳以上、または60歳未満で要介護認定を受けた方で、比較的介護度が低い方が入居することが多いため、介護サービスは提供されていません。利用したい場合は訪問介護などの外部のサービスを別途契約する必要があります。ただし、サービス付き高齢者向け住宅には一般型と介護型の2種類があり、介護型の場合は介護サービスを提供する前提で介護スタッフも配置されています。
シニア向け分譲マンション
基本的には一般的な分譲マンションと同様で、購入後に物件の売却、賃貸、相続をすることも可能です。住居は基本的にバリアフリーであるほか、特に高齢者向けのサービスが充実しており、ジムやレクリエーション施設、家事や緊急時の対応などのサービスも用意されていることがあります。
介護サービスは提供されていないことが一般的ですが、施設内で介護や医療のサービスが
受けられるところもあります。
介護施設にはさまざまな種類がある!自分に合った施設を選ぼう!
介護施設にはさまざまな種類があります。それぞれ、施設の雰囲気や設備、主なサービス、対象者などが異なるため、何を重視するのかをはっきりさせてから、当てはまる施設を選びましょう。
この記事のまとめ
- 介護施設は公的施設と民間施設に大別され、公的施設は介護度が高い方や低所得者も入所しやすく、民間施設はさまざまなサービスが充実している、といった特徴がある
- 施設の種類は11種類あり、それぞれ特徴や入居条件などがあるため、入居する人の状況などに応じて適切な施設を選ぶことが重要
- どの施設が良いかを選ぶために見学などを積極的に行うことで、入居後のギャップを小さくすることがポイント
- 決めることが難しい場合には介護専門職に相談をしたり、施設選定サイトの相談窓口に電話をすることで、最適な施設選びのサポートをしてもらえる



